「2013年5月」のアーカイブ

　日本ガイシ株式会社はイタリアの大手送電会社であるテルナ（Terna）社と、電力貯蔵用NAS（ナトリウム硫黄）電池システムの供給に関する基本契約に合意したと発表しました。

　今回日本ガイシが供給するNAS電池は、ヨーロッパで初めて電力系統に導入される大容量蓄電池となるとのことです。

　今回合意された契約では、テルナ社がイタリア国内の送電系統に導入するNAS電池システムを、日本ガイシが最大で出力7万キロワット（7時間放電で容量49万キロワット時）供給するとされており、この内、初回分として3万5千キロワット（同24万5千キロワット時）のNAS電池システムについて、約1億ユーロで供給される予定です。

　EUではCO2排出量を大幅に削減するために、「最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を2020年までに 20％に高める」という目標が掲げられており、この目標達成のために各国で再生可能エネルギーの導入が進んでいるため、イタリアでも2012年の再生可能エネルギーによる発電量が増え、太陽光発電が前年比72％増、風力発電が同34％増と大幅に増加しています。

　太陽光発電や風力発電など出力の不安定な発電方法による電力供給が増えると、電力需給変動への対応が難しいなどの問題が発生するため、NAS電池やレドックスフロー電池といった大型の電力貯蔵用蓄電池システムを用いた平準化による、電力供給の安定性確保はEUの2020年の目標達成において今後より一層重要性が増すものと思われます。