東工大、新タイプの金属-空気電池「ナトリウム‐空気電池」の開発に成功

 東京工業大学は、同大学の研究グループが、新タイプの金属-空気電池である「ナトリウム‐空気電池」を開発したと発表しました。

 この研究で試作されたナトリウム‐空気電池は以下のような性能を示し、エネルギー密度については、現在最も高いエネルギー密度を持つ二次電池であるリチウムイオン電池の10倍以上の値であることが確認されたとのことです。

  • 起電力:2.9 V
  • 電気化学容量:約600 mAh/g
  • エネルギー密度:約1500 Wh/kg※

※上記のエネルギー密度は、電極、固体電解質セパレーターなどの構成材、システム部材の重量を含まずに計算

ナシコン・セラミックスのセパレーター

 今回発表されたナトリウム‐空気電池は以下のような構成となっており、ナシコンと呼ばれる高速ナトリウムイオン伝導性セラミックスのセパレーターを用いることで、反応性の高い金属ナトリウムの陽極と空気極とを分離し、空気極側に水性電解質を利用することを実現しています。

  • 陽極:金属ナトリウム極
  • 陽極側電解液:有機電解液
  • 陰極:空気極
  • 陰極側電解液:水溶液電解液

ナトリウム-空気電池の構造
 画像提供:東京工業大学

二次電池化の実現に期待

 今回試作されたナトリウム‐空気電池は一次電池であり、今後は充放電の繰り返しにより発生する課題を解決し二次電池化されることなどが期待されます。

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